Dama de noche

「今日は月が良く見える」
「本当ですね……とても綺麗」
「それに……月明かりで、お前の身体も隅々まで良く見える」
「えっ、あの……ウルキオラさ、っ」

様はいらない……そう伝えるように、言い終わらぬうちにその唇を塞ぐ。重なり合う互いの唇。それだけでは満足しきれず、の閉ざされた唇が空気を求めて薄らと開いた瞬間、自身の舌をそこへ捩じ込んだ。生暖かい口内を丹念に舐め上げ舌でなぞれば、は小さく吐息を漏らす。それに興奮し、の舌を吸っては甘噛みしてそれを満足するまで堪能した。
唇をゆっくりと離せば、名残惜しいと言わんばかりに銀の糸が二人を繋ぎ、そして切れる。の口元から顎、そしてベッドシーツへと滴る互いの唾液。月明かりを浴びて妖しく光るそれが何とも官能的だった。

「っはぁ……ウルキ、オラさ、まぁ」
「……様はいらない、と唇を塞いだはずなんだがな。、どうやら理解出来なかったらしいな」
「こ、これは癖で……その」
「そうか。ならその癖さえも無くしてしまう程の快楽に溺れさせてやらないとならないな」
「えっ……ちょっと待っ……」
のこの透き通る肌も、その赤い頬も……そしてここの赤い蕾も良く見えるな」
「ひやぁっ……そこは駄目っ」
「駄目、だと?もう既に一度身体を重ねた後なのにか?」

の下半身まで移動しM字に大きく足を開けば、月明かりに晒された秘部が丸見えになる。赤く充血した蕾、そして蜜壷からは互いのものが混ざりあった白く濁る体液が滴り落ち、シーツを濡らしていた。その光景に思わず息を呑む。それ程までに月明かりに照らされたその姿が、自身の欲を滾らせるのに充分すぎるものだったからだ。

「何とも唆るな……またの中に入りたくなる」

秘部に顔を埋め、その赤く熟れた蕾をひと舐めすれば、は小さな声と共に身体を跳ねさせた。そして蜜壷に中指を咥えさせれば、白濁した液が指に絡みつき、蜜壷は難なくその指を呑み込んでゆく。蕾には舌を這わせ、生暖かい蜜壷の中を中指でゆっくりとかき混ぜれば、肉壁はギュウギュウと俺の中指を締め付けた。

「なんだ、。気持ちいいのか?」
「んっ……だって……っ」
「だって……?その後はなんだ?」

今まで幾度となく身体を重ねてきても、まるで処女のように恥ずかしそうに初々しい反応を見せるその姿に堪らなく興奮した。の、憂いを帯び瞳を潤ませながら俺を見つめるその姿。それは月明かりを浴びて咲き誇る月下美人のような……そんな儚さと美しさがあった。
月下美人は一晩だけ、その固く閉ざした蕾を開き、純白色の大きく美しい花を咲かせるという。……夜にだけ、昼には決して見ることの出来ない艶やかなの姿は、どこか月下美人に似ているような気がした。

蜜壷に指をもう一本増やす。するとは身体を震わせ甘い吐息を漏らした。蜜壷の中で指を動かせば、もっと、と欲しがるように愛液を溢れさせては指を締め付け、俺を求める。

「そんなに俺が欲しいのか?腰が浮いているぞ」
「だって……気持ち、いい……から」
「ああ、だからどうして欲しい?」
「ウルキオラの、また……ここに、入れてくださいっ」

その吐息混じりに発せられた言葉にドクンと雄が脈打つのを感じた。蜜壷に埋めていた指を引き抜き、今にもはちきれんばかりに主張している雄を指の代わりに宛てがう。蜜壷の入口に雄を擦り付ければ、欲しいと求める甘い声が聞こえた。充分に先端が愛液で濡れたところで、ゆっくりと蜜壷の中に雄を埋めていく。
俺はこの瞬間が好きだった。好いている女の中を俺のモノで満たし、埋め尽くすこの瞬間が……。



するとは小さな悲鳴を上げ、その狭い蜜壷は逃がさないとでも言うように、さらに収縮し俺を締め付ける。二回目だというにも関わらず、挿入するのが初めてとでもいうような狭さだ。危うくこちらがイキそうになる。やっとの思いで蜜壷の中に己の全てを収めると、ゆっくりと動き始めた。は切なく甘い声を吐息とともに吐き出しながら、まるで快楽に耐えるかのように俺の背にしがみつく。
浅く深く、そして速度を変えながら責め立て、寄せては返す快楽の波の頂点へと登っていく。身体は段々と熱を増していき、雄はその欲を吐き出す瞬間を今か今かと待ち構え、ひたすら耐えていたの方もそろそろ限界を迎えそうだった。

「もう、ダメっ……ウルキオラっ」
「っ……なんだ、どうして欲しい」
「中にウルキオラの、出してっ」
「ああ、の望みのままに」

最奥をひと突きすれば雄は大きく脈打ち、そしてはその身体を仰け反らせ声にならない悲鳴を上げて達した。ドクドクと小刻みに脈打ってはの中へ種を注ぎ込んでいく雄。そしてそれを受け止め、収縮を繰り返しながら一滴も残らず絞り呑み込んでいくの蜜壷。
身体の反応がひと通り収まったところで、まだ硬さを保った雄を蜜壷から引き抜いた。ドロっとした白濁の液体が溢れ出しの秘部を白に染め上げる。

「ウルキオラので、いっぱいになっちゃった……」
「嫌なのか?」
「ううん、大好き……」



Dama de noche

(そう言って微笑んでは、重そうな瞼をゆっくりと閉じた。)


(20170523)